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Vol.16 こどもの歯周病

最終更新日:2012年2月17日

こどもの歯周病

歯周病はおとなの病気というイメージが持たれていますが、平成17年の厚生労働省の歯科疾患実態調査によると、5~9歳の子供の約4割、10~14歳の約5割が、歯周病の初期症状である歯肉炎にかかっている事が報告されています。

歯肉炎の特徴
1 歯肉にのみ炎症が見られる
歯のまわりには、歯肉、セメント質、歯根膜、歯槽骨が歯を支える役割をしていて(図1)、これら歯周組織のうち表面の歯肉にのみ炎症が見られる病気が歯肉炎です(図2)。

【図1】 ■歯・・・エナメル質、象牙質、歯髄 ■歯周組織・・・歯肉(歯ぐき)、セメント質、歯根膜、歯槽骨(歯のまわりの骨) ■他・・・歯肉溝

【図2】 ・歯肉が腫れて歯肉溝が深くなる(仮性ポケット) ・骨の破壊、吸収なし ・歯石、プラーク ←歯肉溝へ突撃!! 

社団法人 福井県歯科医師会 “歯科健康教室の達人 Ver.2”より

2 原因はプラークである
歯磨きをしなかったり、歯ブラシが当たっていなくてプラーク(歯垢)が歯に付着していたりすると、2~3日で歯肉に炎症徴候が見られるようになります。子供に見られる歯周病のほとんどがこのプラーク性歯肉炎で、原因はプラークです。これは特定の細菌が原因になっているのではなく、細菌の量により炎症が引き起こされています。

3 プラークコントロールにより改善する
歯肉炎が起きると、歯ぐきが赤くブヨブヨして出血しやすくなったりしますが、ほとんど違和感を感じる事はありません。歯ブラシなどを使ったプラークの除去を徹底する事により改善します。歯石、歯列不正、歯と修復物とのスキマなどは、プラークを付き易くし、口腔清掃を難しくしますが、これらを除去、修正する事で歯肉の炎症はさらに改善します。プラーク性歯肉炎はプラークを除去する事により、完全に治癒可能です。

4 歯周炎の前段階と考えられている
歯肉炎は歯ぐき表面の歯肉に限局した炎症なので、大人の歯周病のように骨が溶けて歯がグラグラして来る事はありませんが、長期間放置すると歯周炎に進行しますので注意が必要です。しかしごくまれに、10~20代の若者のおとなの歯がグラグラになって来る事があります。これが侵襲性歯周炎です。

侵襲性歯周炎の特徴
歯周炎以外は全身的に健康ですが、プラークの付着量は少なくても急速な歯周組織の破壊(歯槽骨の吸収)がみられます。家族内に発症がみられ、罹患率は0.05~0.1%とされています。ブラッシングだけでは治りませんので、かかりつけの歯科医院にご相談ください。

こどもの歯周病のほとんどは不十分な歯みがきによって引き起こされ、この場合むし歯のリスクも高いと考えられます。しっかりとしたブラッシングにより、歯周病、むし歯の予防をおこなっていきましょう。

(たきなみ歯科クリニック 瀧波宏至 先生)

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福井市歯科医師会

※ 本文は歯科医療の観点より記載されております。

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福井市 福祉部 子育て支援課
電話番号:0776-20-5270/FAX番号:0776-20-5490
最終更新日:2012年2月17日

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