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Vol.26 親知らず(智歯)

最終更新日:2013年9月10日

親知らず(智歯)
 

 前から数えて8番目の歯を親知らず(智歯・ちし)と言っています。上下左右で4本あり、生まれつきない人もいますし、まれに9番目の歯がある方もいます。
 昔の人と比べて、現代人は顎が発達しておらず、8番目の歯が口の中に出るスペースがないことが殆どで、途中で引っ掛かって斜めに生えたりしています。
 完全に出てしまい上下で噛み合っている場合や、逆に完全に骨の中に埋まってしまっている場合には問題ありませんが、中途半端に出てきている場合には、物理的に歯ブラシで汚れを落とすことができないので、食べかすが親知らずの周りにたまってしまうなどして、細菌の温床となってしまいます。特に妊産婦の方では、妊娠中で悪阻のある時期や、出産後のお子さんに手がかかる時期ですと、満足な歯ブラシができないのが現状です。疲れるなどで抵抗力が落ちると感染し、親知らずの周りの歯ぐきを腫らしたり、骨が炎症を起こして違和感や激痛を感じるなど様々な症状を表します。何度も繰り返したり、感染したまま放っておくと、近くにある口を開け閉めする筋肉まで炎症を起こし、口が開かなくなるといった事例もあります。また、親知らずが虫歯になって痛んだり、前の歯に近接している場合には、前の歯が虫歯になります。 イラスト
 痛みなどの症状が出て歯ぐきが腫れているときは、抗生剤(細菌を殺すお薬)を内服し腫れをひかせます。痛みは、腫れが引くまで治まらないので、その間は痛み止め(消炎鎮痛薬)を内服してもらいます。妊娠中や授乳中の場合には、抗生剤を始め消炎鎮痛薬など、お薬を飲むこと自体に抵抗を感じる方が、ほとんどだと思います。お薬の内服が必要になった場合には、妊産婦の方でも内服が可能な種類のものを、歯科、産婦人科の主治医と相談し、適切に服用すれば問題ありません。時には、我慢して悪化するよりも、お薬を内服することの方が大切な時もあります。また、親知らずの周りに膿が溜まっているときは膿を出し洗浄します。抵抗力が落ちる原因となったものも考えなくてはいけません。体を安静にすることも大事です。

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  親知らずを抜歯することは、ほとんどの場合、妊娠中には行いません。妊娠・出産の可能性がある場合には、妊娠前に抜歯しておくことをお勧めします。

 歯ぐきを切って骨を削るような親知らずの抜歯は、かかりつけの歯科医院では対応できない場合もありますので、事前に主治医と相談し、歯科口腔外科の診療を行っている歯科医院や病院を紹介してもらうことになります。
 抜歯手術の際には、伝達麻酔といった神経の元に麻酔をすることで、顎の半分を完全にしびれさせたり、抜歯する歯の周囲に局所麻酔を行いますので、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。
 イラストただし、骨を削る量が多い下顎の抜歯の際は、術後に腫れと痛みが強く出現します。お薬を飲んで頂きますが、術後の2,3日は腫れと痛みで口が開けずらくなります。また、大きな神経や血管が傍にありますので術後合併症が出る可能性もあります。最近では、事前に歯科用CTを撮影し、細かな位置を確認してから抜歯することも保険診療で可能になっています。
 抜歯手術前の検査や、抜歯の方法・術後の合併症など詳しい内容は、抜歯手術前に主治医としっかり確認しておく方が良いでしょう。 

(長内歯科クリニック 長内哲生 院長)

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最終更新日:2013年9月10日

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