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Vol.8 「絵本の読み聞かせ」のポイント

最終更新日:2014年12月1日

教育コラム 

 赤や黄色で彩っていた街路樹の葉もいつの間にか散り、冬の到来を感じるようになりました。今年もあと1ヶ月になり、冬の支度や新しい年への準備など何かと慌しい月ですが、お子さんにとっては、楽しいことがいっぱいの12月です。子育て支援施設ではクリスマス会など、楽しいイベントを計画しております。親子で遊びに来てください。お待ちしています。
 

あ

絵本の読み聞かせのポイント

 ブックスタートのことをご存知ですか?ブックスタートは「絵本」を通して赤ちゃんと向かい合うひとときを持つことを応援する運動です。赤ちゃんの体の成長にミルクが必要なように、こと心を育むためには、あたたかなぬくもりの中で優しく語り合う時間が大切です。そうしたかけがえのない時間を通して、赤ちゃんは自分が愛されていることや守られていること、大切な存在であることを体感します。そして、ことばを呼応させる経験を積み重ねながら、ゆっくりと人を信頼することを知り、さらに自分以外の人と気持ちを通わせる力を育みます。
 そこで、今月の育児ヒントは、長年、絵本を子どもたちとお母さんたちに届けている『いちのすけ文庫』主宰の坪川祥子先生に、子どもの絵本についてのお母さんの悩みに、アドバイスをしてもらいました。お子さんに絵本を読み聞かせする時のご参考になれば幸いです。

坪川先生のワンポイント育児アドバイス 
 

  大好きな人のまなざしが、人の育ちを支えます。大好きな人のぬくもりのある声は、子どもにとってのゆりかごです。
 子どもと大人が絵本のよろこびを分かち合うひと時をすごすとき、子どもは目で絵を読み、耳から言葉を味わい、絵本の世界を自分の内なる世界として思い浮かべています。その至福の時に寄り添える幸福を、私たち大人もまた味わわせてもらっているのです。

子育て支援室あじさい

お母さんの絵本についてのお悩み

まてまてまて
『まてまてまて』

こばやしえみこ 案 
ましませつこ 絵 
こぐま社

Q.うちの子、絵本が好きじゃないみたい。ちっとも、じっと聞いてないんです。

A.自分で動けるようになるハイハイの時期から、ちょこちょこ走りの頃まで、子どもは、つぎつぎと行きたいところに自分で行けることがうれしくてたまらないのです。
 その時期のよろこびを、ぜひ一緒に味わってください。無理に絵本を読まなくてもいいじゃないですか。ほっとひと息つきたくなって、体と気持ちが落ちついた時、目の前にすてきな絵本があれば、自然に絵本に気持ちが向きますよ。

 

りんご
『りんご 』

松野正子 ぶん 
鎌田暢子 え
童心社

Q.絵本を読んであげるのはいいことなんですよね。

A.難問です。絵本を読むことを楽しいと思っていない大人が義務感から読んで聞かせるのであれば、子どもの育ちにとっていい時間ではないでしょう。「あなたと一緒にいるのが楽しい。」という大人の気持ちが、絵本を読む生の声を通して目の前の子どもの心に届く。そのとき、子どもが育つのです。

Q.子どもと読んでいる絵本のどこが面白いのか、大人の私にはわからないんです。わからないままに我慢して付き合ってるんだけど、正直言うと疲れます。
A.絵本じゃなくて、子どもを見てください。子どもの周りに いる大人のよろこびは、何かと出会って楽しむ子どもの気持ちに気づくことです。
絵本の『ぐりとぐら』をそのまま面白いと感じる大人はほとんどいません。でも、主人公のぐりとぐらが食べるカステラを、美味しそうに食べるまねをする子どもを見て、しあわせを感じる大人は多いのです。子どもとともにすごすと、自分以外の者のよろこびを自分のことのように感じるチャンスにめぐまれます。

ぐりとぐら 
『ぐりとぐら』

なかがわりえこ
おおむらゆりこ
福音館書

Q.大人はちゃんと絵本を書いてある通りに読みたいのに、子どもが勝手にどんどんページをめくったり、「おしまい!」って終わらせたりするんです

A.その子は、ページをめくるのがおもしろいのです。
上手にめくるのをほめてあげてください。赤ちゃんの頃は、おしゃぶりしたり、歯固めにしたり、マイブックを存分に楽しみます。少し大きくなって、絵本のストーリーに興味がわくと1ページずつ読み進むようになりますよ。

がたんごとん
『がたんごとん がたんごとん』

安西水丸 さく 
福音館書店

Q.どんな絵本を選べばよいか、わかりません。

A.その時のその子の気に入った本は、大人が邪魔しないで楽しませてあげましょう。
子どもによって好きな絵本はそれぞれですが、食べものがミルクやおっぱいを卒業して幼児食になるように、年齢にそって楽しむ絵本も変わっていきます。
ゆかいなことばの言いまわしを積み木のように積み上げるお話は、より小さい子から楽しめます。
また、主人公が活躍するストーリーのしっかりした昔話は、4歳から8〜9歳の子どもたちが、主人公になりきってお話を楽しみます。自分で字が読めるようになっても、ぜひ、読んであげてください。
絵本は、自分で絵を読み、耳から言葉を聞いて、味わうように作られています。

おおきなかぶ
『おおきなかぶ 』

A・トルストイ 
内田莉莎子 訳
佐藤忠良 画
福音館書店

三びきのやぎのがらがらどん
『三びきのやぎのがらがらどん』
マーシャ・ブラウン
瀬田貞二 訳
福音館書店
 

Q.図書館や園文庫で同じ本ばかり借りようとします。困ったものです

A.困らないでほめてあげてください。前に読んでもらって面白かった本をちゃんと覚えているから、また読みたくて借りるのです大好きな人に、大好きな本を読んでもらうよろこびを、分かち合ってくださいね。

しずくのぼうけん
『しずくのぼうけん』

マリア・テルリコフスカ 作 
ボフダン・ブテンコ 絵 
内田莉莎子 訳
福音館書店

Q.図書館や本屋さんに行かなくても、スマートフォンやパソコン端末でダウンロードして読めば、同じですよね

A.いいえ。子どもにとっては、まったくちがうものです。スマートフォンやテレビなどの電子機器は、大好きな人のまなざしの代わりにはなりません。また、大好きな人の声は、子どもにとってのゆりかごなのです。日本小児科医会のホームページを見ると「子どもとメディア」について5項目の提言のなかに「2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう」「授乳中、食事中のテレビビデオ視聴は止めましょう」とあります。「スマホに子守りをさせないで!」「赤ちゃんと目と目を合わせ、語りかけることで赤ちゃんの安心感と親子の愛着が育まれます」というポスターを目にされた方も多いのではないでしょうか。

もりのなか
『もりのなか』

マリー・ホール・エッツ 作
まさきるりこ 訳 
福音館書店

Q.「おすすめの本」とありますが、子どもによって好みが違うものではないのかしら。よけいなお世話って気がします

A.「おすすめの本」について誤解が多いので説明しましょう。
福井市立の各図書館や県立図書館では、これまで長年にわたって子どもたちが「面白かった」と満足し続けてきた本を中心におすすめしています。つまり、過去の子どもたちから未来の子どもたちへの「おすすめ」です。子どもから見て面白い本の、口コミと思っていただいてもいいでしょう。誰か特定の人の好みや意向ではありません。ぜひ、図書館に行って、絵本を借りてみてください。

てぶくろ
『てぶくろ』

エウゲーニー・M・ラチョフ
うちだりさこ 訳 
福音館書店

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お問合せ先

福井市 福祉部 子育て支援課
電話番号:0776-20-5270/FAX番号:0776-20-5490
最終更新日:2014年12月1日

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