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Vol.12 もうイライラしない!-行動分析学から学ぶ子育てのコツ-

最終更新日:2015年5月1日

教育コラム 

 若葉の美しい季節となりました。さわやかな風を受けてこいのぼりが元気に泳いでいます。
 育児をされているご家庭では、小鳥のさえずりに耳を傾けたり、遊具で遊んだりして、お子さんと一緒に休日を楽しく過ごしていらっしゃるのではないでしょうか。
 さて、「子育て支援ネットワーク すまいるサポート通信」は、今回で第12号になります。お子さんと保護者の方の笑顔あふれる時間や、支えあう育児仲間が増えるよう、これからも、子育て支援事業の紹介や育児に関する悩みへのアドバイスなどをお伝えしていきます。
 福井市では、子育て家庭を支援するため、地域子育て支援センターを市内11か所に設置し、様々な事業を展開しています。更に、鶉地区に、きのこルーム(たけのこ児童館内)が5月13日(水)より、新設されます。乳幼児とそのご家族(父母・祖父母)が、おもちゃで遊んだり、育児講座に参加したり、また、担当スタッフや他の保護者とおしゃべりをするなどして、楽しい時間を過ごしています。どうぞ、お気軽にお出かけください。

 

朝倉 ゆめまる 千崎 愛先生

 今月の「育児ヒント」は、福井大学医学部附属病院 小児科 臨床心理士の千崎 愛先生です。福井市の保育カウンセラーとしてもご活躍で、まさに子育て真最中のお母さんでもあります。お話を聞いて、少しでも子育てが楽しくなるように、子育てのコツを一緒に学びましょう

子育てがなかなかうまくいかないことってありますよね。うまくいかない時、「言うことを聞かない子」「育て方を間違えた」という風に考えて、子どもや自分を責めてしまいがち。でも、感情的な評価をしても目の前の子どもはそう簡単に変わってはくれません。
今回は、「行動分析学」という普段とは違った視点から子育てを考えてみませんか?子育てに行動分析学の視点を取り入れることで、いつもと違った関わり方ができますよ。

行動そのものに注目
 行動分析学?「行動」って何でしょう?行動とは、歩く、走る、歯を磨く、ありがとうと言うなど、すべての動きを指します。しゃべらない、走らない、何もしないというのは行動ではありません。
 そして、増やしたり、減らしたりできるのは行動です。

行動の2つの原理
 人間の行動って、実はとても単純です。
 たとえば、「しょっちゅう園を休みたがる子」がいるとします。親なら、園には毎日喜んで行ってほしいもの。毎朝、登園する時間になると浮かない顔をして、ぐずぐず。
子育て支援室 もし、あなたがこの子の親だったら、わが子を心配する気持ちは隠して心を鬼にして送り出しますか?
それとも、そんなに嫌ならと今日1日だけ、思い切って休ませますか?思い切って休ませても、「本当に休ませてよかったのだろうか」「行かせるべきだったのでは」葛藤が頭の中をめぐります。


園に毎日喜んで行くようにするためには、どうしたらいいでしょう?
 園に行ったごほうびに何かを買ってあげる約束をする?
 園に通う大切さを言い聞かせる?
 園に行かないと週末のお出かけはなしにするよと言う?  
こんな時、人間の行動の2つの原理を知っているとお子さんとの関わりがぐんと楽になります。

あ


 これだけです。単純すぎて信じられませんか?人間の心理は、本当は単純なものなのです。そして、この原理は子どもにだけではなくて、大人にもあてはまります。たとえば、普段の買い物を思い出してください。買い物をすると、金額に応じてポイントが貯まるお店ってありますよね。一定のポイントが貯まると、貯めたポイントで買い物できたり、商品券がもらえたりする。ポイントが2倍とか3倍になる日を狙って買い物したことはありませんか?これって、まさに【原理1】にあてはまる行動です。「買い物する」という行動の直後に「2倍のポイントがつく」という“よい結果”が起きて、次に買い物する時もポイントがたくさんつく日に買い物しようとします。

 逆に、あるお店に行ったら、品切れだったとか店員の態度が悪かったとか“嫌な結果”が起きるとそのお店には行かなくなる。嫌な結果が起きたことで、行動が起こりにくくなっているので、【原理2】です。

ここで2つ、気をつけることがあります。

<気をつけること1:結果を判断するのは誰?>
 行動の後に起きる結果が、よい結果なのか嫌な結果なのかを判断するのは誰でしょう?
 判断するのは、行動をした本人です。行動をしたその人にとって、よい結果であれば、行動は繰り返され、嫌な結果であれば、行動は起こりにくくなります。
 2つの原理のお話をすると、よくこんな質問をされます。「子どもがお手伝いをしてくれた後にはちゃんとほめているのに、ちっとも自分からお手伝いをするようにならない」
 これは、お母さんの方は、お手伝いをしてくれた行動に対して“ほめる”というよい結果を提示しているつもりでも、お子さんにとっては“ほめられる”ことがよい結果ではないことが考えられます。もしかしたら、口先だけの「ありがとう」の言葉よりも「抱きしめる」など何らかの感謝の気持ちを伝えた方がお手伝い行動が増えるかもしれません。

 <気をつけること2:行動の直後っていつ?>
 行動の直後って、どれくらいだと思いますか?

 直後とは、60秒以内と言われています。行動した後、60秒以内に起こった結果に行動は一番影響されます。先ほどの例で考えてみると、お母さんにほめてもらえることはお子さんにとって嬉しいこと、つまり“よい結果”であるにも関わらず、お手伝いを頼むと渋い顔をしているとしたら、ほめるタイミングがずれているのかもしれません。うんとほめてあげているのが、実は、お手伝いしてくれてからずいぶん時間が経ってからとか、翌日になってからとか、“よい結果”が60秒以内に起こっていない場合には、お子さんの行動は変わりません。

 さぁ、ここまでお話したところで、改めて「しょっちゅう園を休みたがる子」について考えてみましょう。この子が園に毎日喜んで行くようにするためには、どうしたらいいでしょう?

そう、2つの原理を使いましょう

 2つの原理を使って、やってほしい行動の直後に「子どもにとっていいこと」を伴わせ、やってほしくない行動の直後に「子どもにとって嫌なこと」「面倒なこと」を伴わせていけばいいのです。
 子どもが喜んで園に行く理由は何か。「お友達と遊べる」「好きな先生がいる」「大好きなママが作ってくれたお弁当」「工作が楽しみ」「お迎えの時のママの顔」。子どもによっていろんな理由がありますが、いい理由ばかりなら、子どもは喜んで園に行きます。
 思い切って園を休んで、家で過ごすことにした時にも、ちょっとした工夫が必要です。家で過ごしている時に、「DVD見放題」「ゲームし放題」「いつでもお菓子」「ママをひとり占め」「お昼はママと外食」。楽しいことばかりだと、ますます園には足が向きにくくなってしまいます。園を休んで家で過ごす時は、子どもにとって楽しいこと、面白いことばかりが起こりすぎないようにしてくださいね。
 お子さんの行動に注目することで、お子さんが“変わった”と、きっと実感できるはずです。

たのしいわらべうた

子どもの育ちは、0歳児からの親子のふれあいが大切です。簡単な手作りおもちゃを作って、お子さんと楽しく遊んでみませんか?子育て支援センターなどにも手作りおもちゃがあります。子どもたちは、とてもよい表情で、興味を持って遊んでいます。

いないいないばあボード

お問合せ先

福井市 福祉部 子育て支援課
電話番号:0776-20-5270/FAX番号:0776-20-5490
最終更新日:2015年5月1日

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