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福井県 学力日本一の要因に迫る!

最終更新日:2013年1月1日

文部科学省が行っている「全国学力・学習状況調査」では、小・中学校ともに福井県の子どもたちの平均正答率が全国平均を大きく上回り、都道府県別ランキングでは常に上位に位置しています。
さらには「全国体力テスト」においても、平成22年には小学生(5年生)、中学生(2年生)で男女とも1位となりました。今や、福井は全国が注目する教育先進県だと言えるでしょう。
他県に比べれば人口も少なく、進学率を重視する私学や塾、大学の数も少ないのに、このような結果が出るのは何故なのか?今月は福井県が持つ教育環境、その独自性と秘密に迫ってみましょう。

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教育現場より

まずは福井の教育現状を知るために、福井市教育委員会で話を聞いてきました。【別表1】など各種データで好結果をしめす福井県への注目度は高く、他県教育界からの授業参観や意見交換の場が数多く設けられているとのことです。
学力比較
【別表1】

また近年、福井市が最も重要視している取組が「中学校区教育」というシステムです。
これは同じ中学校区内(福井市は23校区)にある保育園・幼稚園、小学校、中学校らがそれぞれに連携して、意図的・計画的に一貫した取組を行い、また地域と協働した教育を進めるものです。
【別表2】
中学校区教育・地域連携活動状況
【別表2】
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例えば、福井市では小・中学校の先生が互いの授業を参観する場が積極的に設けられています。一般的に小学校の先生は幅広い学科の知識を必要とされるのに対し、中学校の先生は学科毎の専門的な知識が必要とされます。互いの授業を参観・研究することにより、より広い視野での授業手法や深い専門知識を学ぶことが出来ると同時に、保幼小中の先生みんなで地域のこどもたちを育てていこうという意識が生まれてきました。
入学時点で、先生がそれぞれの子どもへの適切な支援について知ることは、その後様々なギャップや悩みに直面する子どもたちを指導する上で大きな手助けとなることでしょう。

一方、児童・生徒にとっても、小・中学校を通じて共通の学習ルールや生活ルールが定められていたり、小学生に中学校での授業・部活動体験などの機会が設けられていたりすることで、新しい環境への抵抗感が少なくなりました。

また福井市の多くの小学校では、授業を少人数に分けて行ったり、2人の教員でティームティーチングを行ったりすることで、子どもたちにきめ細かい指導ができる体制が整っています。

そして、もちろん福井の先生の教育への熱意が、子どもたちの学力向上に大きな影響を与えています。
通常授業以外の夏休みや放課後に、個別に子どもたちを指導したり、中学校では進学に向けた補充学習を行ったりしています。
また、先生方が家庭学習の評価・指導を充分に行うことにより、福井県の子どもたちは全国的に見ても宿題を真面目に取り組む傾向があります。
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また先生自身も各所にて開催される研究会へ積極的に参加するなど、教育への熱心で高い意識がより密度の高い授業や生活指導を可能にするのでしょう。
さらには先生と生徒間での生活ノート(生徒が1日の感想と翌日の予定を書き、先生がそれに対してコメントを書くもの)を取り入れており、双方の意見や気持ちを分かり合うことで、個人個人へのケアも行っています。実際、福井県では不登校の問題も減少傾向にあるそうですよ。

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また、施設面においてもバックアップがなされています。すでに市内全中学校においてエアコンが設置されており、小学校でも同様に完備が予定されています。さらにより良い学習環境が整えられることとなりますね。

一方、体力づくりにおいても、福井県では文部科学省が行っている「体力・運動能力調査」を、昭和38年の試行時より小学校4年生から中学校3年生まで全員が実施し、各学校の測定値を県および全国平均値と比較し、体力づくりへの取組に生かしています。具体的な取組としては、休み時間などを利用し、全校体育(例、持久走や縄跳びなど)を実施している学校が多く見られます。
また、各地域でのスポーツ少年団の加入率やスポーツ行事への参加率が小学5年生 では7割を超えるなど、学校以外でのスポーツへの意識の高さも見受けられます。
ちなみに福井の子どもたちは、肥満度に対する調査において「正常」とされる割合が非常に高く(90%超え)、小学校女子が全国1位、小・中学校男子がいずれも全国2位になるなど、健康な体づくりの面においても、秀でた成果をあげていることが分かりますね。

福井の風土・家族・経済との関わり

最近、福井といえば、その「住みやすさ」や「幸福度」などにおいても日本一との高い評価をいただいています。次に、そのような福井の社会環境や風土が、子どもたちの学力とどのように結びついているのでしょうか。考えてみましょう。

大家族主義・三世代同居率が高い
福井では3世代同居世帯の割合が高く、また共働きの割合が高いことから、祖父母による教育・しつけ面でのサポートは大きなものと思われます。
両親が帰ってくるまで勉強の面倒を見たり、学校行事にも参加したり…。子どもたちがしっかりと学んでそして遊ぶ、そのお目付け役になってくれているのかもしれませんね。
「福井では、宿題を子ども部屋ではなく家族がいるリビングで済ませることが多い」とも言われており、これも周囲の目が届くところで、子どもたちの生活が成り立っている1つの例なのでしょう。
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規則正しい生活習慣
文部科学省が実施した「全国学力学習状況調査」によると、「毎日朝食を食べる」「午前7時前の起床」「午後10時前の就寝」などの統計も、福井の子どもたちは全国平均を大きく上回っています。規則正しい生活習慣を保つことが、健全な学校生活に繋がっているのでしょう。
また携帯電話を持たない小学6年生、中学3年生の割合が、ともに全国平均を大きく上回ることなども特徴的です。学習やスポーツなど、子どもたちが本来すべきことに対して、しっかりと取り組んでいることも要因のひとつでしょう。
安定した生活
また、子どもたちの健やかな成長や進学面において、経済的な要因も無視出来ません。
福井県は一世帯あたりの貯蓄残高が全国トップクラス、また企業立地や新規創業も盛んで失業率は全国最低、有効求人倍率もトップクラスにあります。このような環境が、子どもたちの成長・進学の面においてもプラスの要因となっていると言えるかもしれません。

食育 

最近聞く機会の増えたこの「食育」という言葉。
「食育」とは、生きる上での基本であって、様々な経験を通じて自らの食について考え望ましい食習慣や正しい知識、判断力を身に着けるための取組のことを指します。現在の「食」をめぐる環境の変化の中で、改めて「食育」の重要性が高まっているのでしょう。

福井県の「食育」に対する取組は、全国的にも早く約8年前から始まっています。まず小学1年生では給食を好きになってもらい、マナーを守って食べられるようになり、2年生になると、自分たちで野菜を栽培し、それを調理して食します。このような経験をすることで、食事をつくる楽しさや有難さを学び、その結果少しでも好き嫌いを減らすことができます。実際に給食の残菜は、年々減少しています。

このように食育を通じて、バランスを考えた食事を摂取しようという意識を幼いころから持つことによって、今後の成長段階での健康な体づくりにつながっていきます。もちろん学校だけではなく、そういった意識は家庭での食事の際にも必要です。
福井県の子どもたちの学力・体力日本一の理由には、こんな秘密もあるのかもしれません。
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お問合せ先

福井市 福祉部 子育て支援課
電話番号:0776-20-5270/FAX番号:0776-20-5490
最終更新日:2013年1月1日

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