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「育児ストレス」の対処法

最終更新日:2015年4月1日

 

夫ができる「育児ストレス」の対処法 

特別企画「育児ストレスをやっつけよう!!」最終回となる今回は、「育児ストレスの対処法」と題して、育児ストレスの原因や症状を探りながら、どのようにそれを軽減または解消し、楽しく育児ができるかを考えてみたいと思います。
事前にお母さん方からご協力いただいたアンケートを基に、子ども家庭センター相談室の村井さんと牧野さんにお話しを伺います。


アンケート結果

本日お邪魔したのは、福井駅東口、「AOSSA(アオッサ)」5階にある「福井市男女共同参画・子ども家庭センター・子育て支援室・相談室」です。
以前も「楽しく子育てin福井」の企画の時に伺いました。
いろいろなイベントを企画しているので、親子で楽しい時間を過ごす事ができ、またお母さん方の情報交換の場ともなっています。そして、いつでも気軽に育児相談ができて、とても心強いところです。

「楽しく子育てin福井:親子で友だちをつくりに出かけよう!」

オフィシャルホームページ

先生方

マイク 本日はよろしくお願いいたします。
今回、たくさんのお母さん方にアンケートのご協力をいただきましたが、それによりますと、全てのお母さん方が「育児ストレスを感じたことがある」とお答えいただいています。この点については、どのように思われますか?お二人にとってはある程度、想像通りの結果なのでしょうか?
S 育児に限ったことではないですが、自分の思うとおりにならないことはストレスにつながりやすいので、この結果も自然、当然なのではないでしょうか。
マイク 中にはストレスのあまり、母親失格だと感じてしまうお母さん方もいらっしゃるようです。深刻になり過ぎるのも良くないのでしょうね。
牧野さん 私たちの立場からすると、むしろストレスを感じない方のほうが気になります。もちろん「子育てが楽しい、幸せ」と感じるのが悪いことではありませんが、過剰にがんばりすぎている、実は無理がかかっていることに気付かない方が心配ですね。
どこかに負荷がかかってるな、って気付いていらっしゃる方が自然かなと捉えています。
マイク では、具体的に育児ストレスというのは、どういった形で表れてくるものなのでしょうか?精神的なもの、あるいは体調面でどのような症状が見られるのでしょうか?
S 単純に心と身体に分けられることではありませんが、よく言われるのは、不眠だとか食欲不振、あるいは逆に過食などの症状が見られる場合もあります。またハッキリとしたものではなくても、慢性的にだるさや疲れを感じ、力がでない、元気がでないという方も多いようですね。
マイク 抱っこなどの影響もあるのでしょうが、急に肩こりなどの症状を感じる方もいらっしゃるようです。
S お母さんとしての責任が加わることで、気が抜けなかったりゆっくり休めなかったりするのでしょうね。
マイク また気分が沈みがちで、ものごとに対してネガティブになってしまうとも聞きます。あるいはイライラしやすく、怒りっぽくなるだとか…。
牧野さん 不安が強まったりもしますね。また、やる気がでない、思考力や決断力が鈍るなどの症状が見られることもあるようです。今まではすんなり決断できていたことが、堂々巡りになって決められなくなったりもします。
マイク お母さんによっては、育児中は自分の異変に気付かず、育児が一段落した後になって「あれは育児ストレスの症状だったのかも」と感じる方もいらっしゃるようです。
そうなるとストレスを溜め込むことになり、最近のニュースで流れるような悲しい事件にも繋がってしまうのでしょうか。
イラスト
S 何分、家庭の中のことは外からは見えにくいので、難しいところです。家庭の中でたまったストレスがお子さんに向いてしまうとか、あるいは自分に向いた場合には抑うつなどの症状につながる場合もあります。
牧野さん 家にこもりがちになり、人との関わりが減ったり、遮断しがちになる場合があります。「誰とも話したくない、会いたくない」「相談するのもおっくう」といった様子が見えたら、周囲の方もちょっと気にかけてあげてほしいですね。
マイク どんどんストレスを溜めないで、少しずつでも解消していく事が必要ですね。
S 自分のことが二の次になる、お子さん中心の生活の中で、目の前の出来事に気持ちがとらわれてしまうことがあります。ご自分の状態や状況を少しでも客観視できることが大切ですね。
マイク ストレスの原因についても伺いたいのですが、アンケートでは赤ちゃんの泣きや、または家事や仕事との両立、あるいはその他のことを挙げられる方も多くいらっしゃいました。村井さんや牧野さんが実際にご相談を受ける際には、どういった内容が多いのでしょうか?
S ご相談内容は多岐にわたるのですが、生活のリズムに関すること、それに付随して授乳に関すること、トイレトレーニングや離乳食についてなども多いですね。赤ちゃんの食事量に関してのご質問も多いです。
牧野さん 細かいところですと、最近は基準を気にされる方は多いですね。食事は何グラムが適当なのかとか…。そういったことを確認にみえる方もいらっしゃいます。
マイク 最近は育児書やネットなど情報の入手方法は多いですからね。ただ結構書いてあることがバラバラな時も多いようですが(笑)。
S お姑さんやお母さんと相談できる方、できない方など環境も異なりますし、あとはそういった方からアドバイスを受けても、それがインターネットなどに書かれていることと異なると、どっちが正しいのかと確認される方もおられますね。
牧野さん なかなか取捨選択が難しいとは思いますが、ご自身の納得がいく答えを見つけていただけるようになると、子育てにも少し落着きがでてくるかもしれません。
こちらからもできるだけ具体的なアドバイスをさせていただきますが、それでも不安をぬぐいきれず、子育てに自信が持てない方などには、相談室で個別に対応をさせていただくこともあります。
マイク 初めての子育てだと、パニックに陥ってしまうこともありますしね。特に1人目のお子さんだと、やはり不安やストレスも大きいのでしょうか?2人目、3人目だと少し慣れが出てくるのかなという気もしますが。
S 質と量の面で異なるような気がしますね。1人目だと「分からなさ」という部分での大変さは大きいでしょうね。確かに2人目になるといろいろと育児に対して慣れは出てくるかもしれませんが、実際には2人を同時に子育てするのは大変です。2人目だから育児が楽になったとは言えないかもしれませんね。
牧野さん 2人目になると子育ての見通しはつくようになったかもしれないけど、上の子と下の子で成長の仕方や性格が異なりますので、新しいストレスが出てきたりすることもあります。2人目が生まれたからこその悩みや相談もありますしね。
電話相談などは、1人目のお子さんを持ったお母さんからのものが多い印象です。
マイク ご家族や身近な方に対するストレスなどについてのご相談は多いのでしょうか?
S やはりご主人の育児に対する協力が得られないという話はありますね。最初は違う内容で始まった相談も、だんだんその話につながっていくという場合が多いです。
マイク お姑さんとの関わりのご相談もありますか?
牧野さん お姑さんと子育ての意見が違った時に悩まれる方は多いように思います。その時に、ご主人が軽く受け流してしまわれると、「分かってもらえてない」と孤独感を持ちやすくなるし、お姑さんとの間に立ってバランスよく仲立ちをしてもらえると、お母さんのストレスも軽減されると思います。
マイク そういったことが原因で離婚や別居などに繋がる場合もありますからね。
あとは赤ちゃんと2人だけでいることで、かえって孤独感を感じてしまったり、世間から取り残されているような不安感を感じる方もいると伺いました。
牧野さん 子育てというのは上手くやって当たり前のように思われているところがあります。お母さんが一生懸命やっていても、周りから「がんばってるね!」とはなかなか言われないですが、その反面、できていないことはすごく悪く言われてしまう。子育てしていても手ごたえが無い、報われてないという感覚を持つ方もいらっしゃいます。
村井さん 女性は、妻になる・母になることで、自分のキャリアが影響を受けるところがあり、そこから自分の生き方も変わる、変えざるを得ない…。お話を聞いていると、そのことに対して不満や寂しさを感じる人もいらっしゃるようですね。
マイク 女性にとっては人生の岐路とも言えます。その辺りをご家族や周りの方に理解してもらいたいという気持ちは当然あるのでしょう。
アンケートの中では、ストレスに対してその解消法を自分で見つけて、乗り越えていらっしゃる方が多いとの結果もありました。
S 思うように外出もできず時間も制限される中では、自己解決せざるを得ないところもあると思います。友だちと約束をしても、例えばお子さんの具合などによって、それを守れない時もあるでしょう。そうなると、約束をすることや出かけること自体を負担に感じたり、おっくうになったりすることがあると思います。それで結果的に、ひとりで何とかできることを探す…となるのではないでしょうか。 イラスト
マイク アンケートに、泣いている赤ちゃんを部屋に置き、隣の部屋でひとり泣いた というのがあり、読んでいてとても苦しくなったのですが…
村井さん あまり長い時間放っておくとなると心配ですが、ご自分を傷つけたり、お子さんに手をあげたりすることではないということで、やむを得ない部分もあるのではないかなと…。
牧野さん 解消法という意味合いのものとしては位置づけできないとは思います。ただ、そうでもしないとやっていけない気持ちは分かります。
マイク そこまで深刻になる前に、ご主人やご家族が察知することも必要だということでしょうか?
牧野さん そうですね。子育てが直接ストレスになることも当然ありますが、それだけでなくて、大変なんだということを周りが何も分かってくれていない、共有してもらえていないという事がストレスになるのかな、と思います。
核家族であれば、お母さんも、日中は赤ちゃんと二人きりという事は十分理解されています。ただ、それでも帰ってきたご主人の生活パターンが何も変わってなくて、休日には自分の趣味に出かけるとなると、自分だけ置き去りにされているという辛さを感じるのではないかと思います。
マイク 限られた時間の中で、1人でできることには限界があります。アンケートには家事を少し手抜きするなどもありましたが、そういったことに対しても、ご主人が理解するような気遣いが大事なんですね。
相談室でストレス解消法の具体的なアドバイスなども、されているのでしょうか?
牧野さん 特に新しいことを勧めるのではなく、「お好きなことはなんですか?」というようなことをお聞きしています。時間がとれるようなら、お子さんが寝ている間など、5分でも10分でもいいから、自分の時間を楽しんでいただければと思います。例えばお茶を飲むなら、ゆっくり味わって飲むとか。
マイク 解消法として、ツイッターやチャットなどネットを利用するとのお答えもあり、現代風かなとも感じました。確かに自分の気持ちを軽い気持ちで発散できる場でもあります。 イラスト
村井さん そういう時代なので、特に違和感を感じるようなことはありません。ただネット上ではどうしても生のやりとりと同じではないので、自分の気持ちがそのまま伝わるとは限りませんし、意に反して傷つけられることもあり得ます。また、のめりこんでしまうような危険性もあります。そういったことによって逆にストレスを抱えてしまうケースもあります。そのあたりは十分気をつけた方がいいと思いますね。
マイク 子育て支援室・相談室などにみえる方の中には、転勤などで福井に知り合いがいないような方もいらっしゃると聞いています。やはり知り合いがいない、頼る方がいないという状況は、不安がつのるものだと思いますが。
牧野さん 確かに転勤族の方などいらっしゃいますし、子育て支援室で知り合ったお母さん方同志でメールアドレスの交換などもされているようですね。支援室ではイベントなども多く催していますので、そういった機会におみえになる方も多いですよ。
外に出かけるというだけで気分も晴れますからね。
マイク もちろん、こちらのような子育て支援の機関やネットなども上手く利用していただきたいのですが、それは反面、ご主人や周りの人たちに助けを求める方が意外に少ないのかなという印象も受けます。
村井さん ご主人に言っていないわけではないでしょうが、なかなか分かってもらえないという状況もあるでしょうね。何かしらのサインは出しているんだけど、受けとめてもらえないことが、またストレスになったりして…。
マイク 実は先日、ご主人たちに奥様の育児ストレスに関する別のアンケートを取らせていただいた結果、「奥様からのSOSサインを感じたことがない」という方が何と60%!これは女性の立場からすると、随分と鈍感な感じもしてしまいます(笑)。ご主人へのSOSの上手い出し方について、お二人からのアドバイスなどお有りでしょうか?
牧野さん 奥さんの方も物事を頼む時には、具体的に分かりやすく伝えるといいのかな?という感じはします。「子どもを見てて」と言うと、ご主人の方もほんとに見ているだけになってしまい、どうしていいのか分からないというところがあるのかもしれません。
ご主人が動きやすいように教えてあげるとできるようになるし、自信も持てます。
それと、あまり完璧さを求めず、やってもらったことに対しては否定せず、感謝するということが大事かなと思います。そこも育てるというか。
村井さん あと、奥さんからあまりにも子育てが大変ですごく嫌なことのように言われると、ご主人も子育てに対してネガティブな印象を持ってしまうかもしれません。子育ての楽しさ、素晴らしさを伝えた上でそれを分け合う、手伝ってもらうという感じでしょうか。子育てのポジティブなところも普段から伝えるということは大事だと思いますね。
マイク 逆にご主人へのアドバイスなどありますか?
牧野さん 1日5分だけでも、奥さんの話をきいてあげる。それも、ご主人の方から会話の時間を持つという姿勢、気持ちを持ってあげて欲しいなと思います。 イラスト
マイク それでは、最後に育児に奮闘中のお母さん方へのアドバイスをお願いします。
村井さん 子育ては長い人生の中で、限られた期間のものと言えると思います。今は辛くても、大変な時期には必ず終わりが来ます。というか来てしまいます。ゆくゆくは子どもに自立してもらいたいですしね。辛い時もあるかと思いますが、あまり目の前のことだけを気にし過ぎず、時には長いスパンで考え、少し引いた立場で見てあげることも大事だと思います。辛くてしょうがない時には、遠慮せず周りに助けをもとめて欲しいと思います。ひとりで抱え込まずに、周りが手助けできるようにSOSを出して欲しいです。
牧野さん イギリスの小児科医のドナルド・ウッズ・ウィニコットの言葉ですが「グッド・イナフ・マザー」(good enough mother)という言葉があります。
「ほどよいお母さん」という意味なんですが、あまり完璧さを求めず、子育てに求められることや子どもからの要求に対しても、ほどほどに応え、ほどほどに失敗するお母さんでいいのではないのでしょうか。
マイク 本当にとてもいいお話を伺いました。ありがとうございます。
つらい時などは、無理せずこちらの子育て支援室・相談室などにご相談に来ていただけたらと思います。
本日はお忙しい中、ありがとうございました。

あ

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お問合せ先

福井市 福祉部 子育て支援課
電話番号:0776-20-5270/FAX番号:0776-20-5490
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